独り立ちの話

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    独り立ちの話

    オフィス屋上から

    12月でオフィスが無くなると聞いて挨拶へ行ったとき、バイトしていた頃に先輩と休憩に出てきて、煙草吸いながら色々話し込んでいたところに1人で上がった。

    昔そうしていたみたいに、雨風で塗装が剥げかかったベンチに座ってぼーっとふかしてると、そういえばここで写真撮ったことなかったなと思った。

    最後の記念に、と適当にシャッターを切るとふつふつと名残惜しさが湧いた。


    株式会社タンバリンを12月末で退職する。

    フロントエンドも全く分からず、エンジニアについても右も左も分からない頃に僕を拾ってくれた。 大学受験に失敗し大学生活もうまく行かず、自暴自棄になってこの際もう大学辞めるか、みたいな気持ちでやってきた僕をあたたかく迎えてくれた。

    何も世間を知らないただ尖っていただけの自分に対して、Webエンジニアに限らずエンジニアとしてどう振る舞えば良いのかとか、チームってこういうものなんだよとか、今では当たり前・出来て当然と切り捨ててしまうようなことまで全部教えてくれた。

    過去にすがっていられない、すがるものも無いとめちゃくちゃに走っていたが、すがらなくとも頼っていい存在が出来た。

    Spotify みたいなポッドキャスト作りたい!って言っていたら社内アドベントカレンダーの内容にしていいよと、こころよくやらせてもらえた。 僕がインスタレーションやりたい!と言ったら、わざわざ担当していた社員が僕を担当に入れてくれて、それの Web 部分を作ったこともあった。 試用期間が終わって内定が出た時、僕はそれを辞退したがそれでもここに残っていいと席を用意してくれた。

    いつも顔を出すと調子はどう?と言ってくれる先輩が出来た。 周りに甘えっぱなしで、無茶やわがまましか言わない自分だったが、それでも付いてきてくれる後輩も出来た。

    元 Flasher としてインターネット黎明期を支えてきた人、面倒見の良い先輩や OSS 好きなエンジニア、今の僕の理想像の全てがここにあった。


    気づくともう大学生でいられるのも数ヶ月になった。 あれほど辞めたがっていた大学も残り少しになると、それどころではなく卒業まで死ぬ気で頑張るぞって気持ちで過ごしている。

    それと、僕は理想のエンジニアになれたのか、なれていないのかを自問することが増えた。 でも自分が憧れたのは、好きなことに向かって突っ走るエンジニアだった。突っ走った後、何が楽しかったのかを周りに喜々と話してくれる、そういう存在になれたらいいなと思う。

    3年間お世話になりました。

    I think this is the beginning of a beautiful friendship. ''Casablanca''
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